50歳以上はワクチン推奨「帯状疱疹の恐ろしさ」 痛みや合併症で生活の質を大きく損なう疾患だ

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近年、成人で罹患する人が増えている「帯状疱疹」とは?(写真:アン・デオール/PIXTA)

みなさんは、ご自身や周囲の方で「帯状疱疹」という疾患を見聞きしたことがあるでしょうか? 疾患名はなじみがなくても、ストレスがかかると口の周りがピリピリ痛くなる、という方はもしかしたら帯状疱疹かもしれません。帯状疱疹は水痘(水ぼうそう)に関連する疾患であり、近年、成人で罹患する方が増えています。

水痘と帯状疱疹の関係性とは?

まず水痘と帯状疱疹の関係性についてですが、これらの疾患はどちらも「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」が原因です。詳しくは後述しますが、一言で説明するとこのウイルスに初めて感染したものを水痘、体内のウイルスが再活性化したものを帯状疱疹といいます。

水痘は、発熱に加え全身に発疹や水ぶくれができる非常に感染力の高い疾患です。主に小児期にかかるとされており、重症化すると致命的な疾患です。

現在は、生後12カ月から受けられるワクチン接種によって感染や重症化をほとんど予防することが可能であり、ワクチンの普及に伴って水痘にかかる子どもは激減しました。しかし定期接種となったのは2014年とごく最近であることから、現在成人している方のワクチン接種率は低く、そのため成人のほとんどが一度は水痘にかかったことがあると言われています。

水痘は1回の感染で身体に十分な免疫がつく(終生免疫)ため、他の原因で免疫が著しく低下するようなことがなければ基本的に二度とかかることはありません。

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