50歳以上はワクチン推奨「帯状疱疹の恐ろしさ」 痛みや合併症で生活の質を大きく損なう疾患だ

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そして免疫は加齢とともに弱まり、ワクチンの普及によって子どもが水痘に罹らなくなった結果、改めて水痘ウイルスに触れる機会が減ったために免疫の強化(ブースター効果)もされず、体内の免疫がさらに低下して帯状疱疹を発症しやすくなっているといえます。現に近年、成人の帯状疱疹患者は増加しており、現在は50歳以上の方を対象として帯状疱疹の発症予防と重症化予防のためにワクチン接種が可能となっています。

2種類のワクチンの違いは?

ワクチンは2種類あり、小児用の生ワクチンまたは成人用の不活化ワクチンを打つことが推奨されています。両者は基本的な成分は同様ですが、副作用や摂取回数が少なく安価であるものは小児用、予防効果が高く持続するものは成人用とされています。また、ステロイド治療やがんの化学療法といった免疫が低下する治療を受けている方は成人用が適していますが個々の疾患や体質にもよるため、どちらを接種するかは一度医療機関に相談することをおすすめします。

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なお、一度も水痘に罹ったことがなく、ワクチンも摂取していない場合は水痘そのものに感染する可能性もあります。成人の水痘は重症化しやすく、また妊婦が罹患すると流産や早産のリスクとなるほか、出産時に赤ちゃんに感染することで新生児死亡のリスクが高まります。したがって、水痘罹患歴やワクチン接種歴がない方、そしてこれらがあっても妊娠希望のある方は水痘の抗体検査を事前に行い、抗体価が低い場合は水痘ワクチンを接種しましょう。

帯状疱疹は生活習慣の改善によるストレス軽減によっても大きな予防効果がありますが、それだけでは発症を防ぎきれません。ワクチンの対象に当てはまる方は、ご自身のみならず、周囲の方を感染から守るためにも、この機会に接種を検討していただけたらと思います。

上原 桃子 医師・産業医

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うえはら ももこ / Momoko Uehara

横浜市立大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構理事。身体とこころの健康、未病の活動に尽力し、健康経営に関する医療系書籍の編集にも関わっている。医師と患者のコミュニケーションを医療関係者、患者双方の視点から見つめ直すことを課題とし、とくに働く女性のライフスタイルについて提案・貢献することを目指している。

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