和田秀樹「家族が認知症になったとき大切なこと」 認知症の介護で最も重要なのは「聞く力」
認知症の人は、不機嫌になったり怒り出したりすると、面倒なことに発展することが少なくありません。いつの間にか外出して迷子になってしまい、町内を徘徊してしまうこともあるかもしれません。
不機嫌になったら、あるいは機嫌がよくなったら、その因果関係を探りパターンとして覚えておきましょう。そして、そのパターンを活用して、不機嫌にさせず、機嫌よくさせていくのです。単に話題だけを覚えておくより、パターンを覚えたほうが効果的です。家族は少し大変かもしれませんが、それが結果的に介護する自分を楽にします。注意深く観察すれば必ずそのパターンが見えてきます。
家族のほうも介護のプロに頼る
介護で疲れを感じるのなら、プロに頼むことを検討しましょう。インターネットで検索するとすぐにわかりますが、認知症の人のケアをサポートするサービスはいろいろとあります。話し相手をしてくれるというサービスもあります。このようなプロの力を積極的に活用しましょう。
ポイントの1つは、家族も人に頼ることに慣れるということです。プロに代行してもらって本人の機嫌がよくなるなら、頼みましょう。お金はかかるかもしれませんが、それでセーブできる時間と気力と体力はお金には換えられません。
有料サービスを利用すると、最初は「思っていたサービスとは違う」ということもあるでしょう。担当者との相性が合わないということもあると思います。しかし、そのようなミスマッチは、トライアンドエラーを少し繰り返すと解消されるものです。
かかりつけの医師が意見書を書いてくれる(当然の権利なのですが)のなら、介護保険を使うのが賢明です。前述の有料サービスより、ずっと安くサービスが受けられるうえ、介護保険も始まって22年がたちましたので、認知症の介護に慣れた方が多いというのがメリットです。
ヘルパーさんに散歩や話し相手になってもらえるほか、デイサービスではさまざまなアクティビティが用意されていて、認知症の進行を遅らせる手助けをしてくれるうえ、お風呂にも入れてくれますし、何より、その時間介護者が介護から解放されるという大きなメリットがあります。
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