【魚で体調異変】知られざるヒスタミン中毒の害 アレルギーとの違い、購入時に気を付けたい点

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魚を食べて体調に異変が起きたときは、ヒスタミン中毒が原因の可能性もあります(写真:COMOC Sizzle/ PIXTA)
サバなどの魚を食べて体がかゆくなった、じんましんが出た……。そんなときに疑うのが「魚アレルギー」だろう。しかし、必ずしもアレルギーが原因で起こっているのではなく、犯人は「ヒスタミン中毒」だったということもあるようだ。魚好きなら知っておきたいヒスタミン中毒について、当サイトで医療記事を執筆されているナビタスクリニック内科医師の久住英二さんに話を聞いた。

「先日も、ある患者さんが、『マグロを食べたあとに皮膚が赤くなったので、アレルギーの検査したい』と言って外来を受診されたんです」と話す久住さん。

診察室で話を聞くと、マグロは以前から何度も食べていて、症状が起こったのは今回が初めてとのこと。

そこで、「マグロを食べるたびに同じ症状が起こったらアレルギーかもしれませんが、今回が初めてであればヒスタミン中毒かもしれません、次回マグロを食べたときに同じ症状が起こったら検査をしましょう」と説明して、帰ってもらったという。

「サバやマグロなどの魚を食べて何らかの症状が出ると、魚アレルギーかな?と思う人は少なくないでしょう。ただ、そのなかには実際はヒスタミン中毒が原因で起こっていたということは、十分にありえると思います」(久住さん)

ヒスタミンを大量摂取しヒスタミン中毒に

ヒスタミン中毒という言葉を初めて聞いた人もいるかもしれない。どういう病気なのか、久住さんの説明によるとこうだ。

ヒスタミンとはご存じの通り、花粉症やアレルギー性鼻炎などで鼻水や鼻づまりを起こす原因物質だ。じんましんの原因でもあり、蚊に刺されたあとに赤くなってかゆくなるのも、ヒスタミンの作用によるものだ。要するに、炎症に関わる物質である。

このヒスタミンを”何らかの理由で大量に摂取したこと”で生じるのが、ヒスタミン中毒だ。

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