ヒスタミン産生菌を増やさないことも重要だ。生の魚を買ってきたら、以下のようなことを心がけたい。
・ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在する。魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去する
・鮮度が低下した魚は食べない(加熱しても分解されない)
・唇や舌先に通常と異なる刺激を感じたら、食べずに処分する
・釣った魚は速やかにクーラーボックスに入れ、常温で放置しない。内臓はできるだけ早く取り出す
(厚生労働省、食品安全委員会HPより編集部で改変)
食べ始めて数分~30分ぐらいで症状が出る
では、ヒスタミン中毒になるとどんな症状が出るのか。
「ヒスタミンが体内で増えると血管の透過性が亢進(こうしん)する、つまり血管から体液が漏れていきます。いわば風呂の栓を開けっぱなしにしたような状態ですね。それが皮膚で起こればむくんだり、腫れたりしますし、鼻や気管で起これば鼻水が出たり、鼻がつまったりします」
呼吸が苦しくなってゼイゼイすることもあり、胃腸で起こると、嘔吐や下痢になる。さらには血液中から水分が減ってしまうため、血圧が下がってショック状態のようなことが起こることもあるそうだ。
「こうした症状は、原因となる食品を食べ始めてから数分から30分ぐらいで現れます。ちなみに、菌が原因となる食中毒はもっと時間がかかりますし、キノコなどの毒素で起こる食中毒も6時間ぐらいかかる。そういう意味では食べている途中で具合が悪くなるというのが、大きな特徴の1つでしょう」(久住さん)
アレルギーと違うので体質は関係なく、ある程度の量を摂ったら、誰でも同じように起こるが、体調(月経や胃腸の病気を患っている、薬を飲んでいるなど)でヒスタミン代謝は変わる。また、喫煙や飲酒はヒスタミンを分解する能力を低下させるため、症状が出やすくなるそうだ。
症状の程度は、ちょっとかゆみが出るという程度の軽いものから、血圧が下がって倒れてしまうというものまである。医療機関を受診すべきだろうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら