「じんましんや赤みなどが出てもすぐに治まるようでしたら、受診の必要はありません。症状が悪化傾向にあるとか、非常につらい症状が出ているというときは、出ている症状によって皮膚科や内科を受診されるといいでしょう」(久住さん)
治療は、ヒスタミンの症状を抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬や注射薬を使うほか、呼吸困難がひどければ酸素ボンベで呼吸管理をし、血圧が低ければ補液を点滴する。症状が軽快していれば様子を見るだけにとどめることもある。だいたい6~10時間で回復し、重症になることは少ないそうだ。
魚アレルギーとの鑑別をどう行うか
「基本的に問診でヒスタミン中毒が疑われたら、その治療をするということで、検査は行いません。ヒスタミンの血中濃度を測ることはできますが、結果が出る頃には回復されていますし、末梢に残っているものは検出できないため、緊急時には役に立たないからです」
なお、ヒスタミン中毒か魚アレルギーかの鑑別をしたいという人もいるだろう。アレルギー検査については冒頭で紹介したとおり、久住さんは「同じ種類の魚を1口、2口食べたときにまた同じ症状が現れたら、そのときに検査を行えばいい」というスタンスだ。
ヒスタミン中毒の頻度は決して高くなく、症状も軽く、比較的早く回復する。心配するような食中毒ではないが、われわれが欠かせない「食」に関するトラブルだけに、知っておいたほうがいいことの1つといえるだろう。
(執筆:編集部・山内リカ)
久住英二医師
1999年新潟大学医学部卒業。内科医、とくに血液内科と旅行医学が専門。虎の門病院で初期研修ののち、白血病など血液のがんを治療する専門医を取得。血液の病気をはじめ、感染症やワクチン、海外での病気にも詳しい。現在は立川・川崎・新宿駅ナカ「ナビタスクリニック」を開設し、日々診療に従事している。久住さんの記事はこちらから。
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