目立つ人と「悪目立ち」を分ける進化心理学の説明 「唯一性」は武器にもなれば排除要因にもなる

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ある集団での「キャラかぶり」(同じ特徴を持った人が複数いること)が嫌がられるのは、そのせいです。本来、人間は自分の唯一性を打ち出すことで注目され、評価されて、承認欲求を満たしていくものです。それは当然、進化心理学的には、より多くの魅力的な異性に選ばれるためでもあります。

だから、みんなと同じはイヤ。人よりも強くありたい、美しくありたい、賢くありたいと願う。それは男女問わず、生物としての人間の本能だと考えた方がいいと思います。

置かれた環境を考慮して有標になる

ところがキャラかぶりが生じると、自分の唯一性が脅かされてしまう。だからひどく嫌われるのです。これが同族嫌悪の正体でもあります。

では、集団で有標となるには、どうしたらいいのでしょう。例えば、「礼儀正しい」ことを当たり前とする環境では、礼儀正しい人ほど埋没します。かといって礼儀知らずでは、それこそ「出る杭は打たれる」の通り悪目立ちし、排除されてしまうでしょう。

大切なのは、ポジティブな意味で有標になることです。

有標性というのは、何かと何かの組み合わせでも生まれます。普通にあるもの同士でも、その組み合わせがこれまでにないものを作るのです。いわゆるビジネスの世界で「イノベーション」と呼ばれるものと同じです。

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