アニサキス・アレルギー、意外に知らないカラクリ 「アニサキス症とは別物」、発作抑える魚の選び方
海や養殖場で魚を捕獲した後、魚が生きている段階で、はらわたとえらを切除して水揚げするとか、洋上の漁船内で生きている魚をそのまま瞬間冷凍するやり方も、魚の身の中にアニサキスが入り込む余地がない。遠洋漁業で捕獲するまぐろやめばち、かつお、養殖のくろまぐろ(本まぐろ)などは、この処理方法が多く採用されているという。
ふぐ料理のように、魚が生きている間に内臓切除の処理を行うのが本来の調理方法となっている場合も安全と思われる。ふぐは、毒が身全体に回るのを阻止するため、生きている間に内臓を切除するが、仮にアニサキスがいても、毒と一緒に除去される。
養殖のやり方として、「アニサキス対策」を採用し、オキアミを摂取させずに育てられている魚は、安心と見られる。プール養殖のひらめ、アニサキス対策に熱心といわれているノルウェー産の養殖サーモン、鹿児島県産の養殖かんぱちや養殖ぶりなどだ。ただし、すべての養殖業者が完全な「アニサキス対策」を実行しているかどうかは未確認である。
アレルギー源の数値は大きく降下したが油断できない
細心の注意のおかげで、再発は一度もなく、「エピペン・スターターパック」の世話になることもなかった。その結果、アニサキス・アレルギーと診断されて8年後、吉報を手にした。2013年、血液検査で、体内のアレルギー源の数値が大きく降下していたのだ。場合によっては命の危険も、という恐怖の食生活から8年ぶりに解放された。
ほっとしたが、晴れて無罪放免とはいかない。気を緩めると、「いつか来た道」に逆戻りする心配がある。アニサキスの再侵入で、数値が再上昇する危険性があるからだ。「アニサキス不在魚種」の物色という宝探しのような魚屋巡りは9年後の今も変わりがない。
(この記事は、筆者の塩田潮氏が自身のホームページ https://www.shiotaushio.com/内の「ボクの寝言漫筆」欄に掲載中の「アニサキス・アレルギー戦記」を基に、再構成して作成しました)
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