アニサキス・アレルギー、意外に知らないカラクリ 「アニサキス症とは別物」、発作抑える魚の選び方

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アニサキス症のほうは、俳優の森繁久彌の体験談などを雑誌で読んでぼんやりと知っていたが、それとは別物だという(「アニサキス症も、アニサキス・アレルギーの人が生きたアニサキスを摂取した場合に起こる」という説も耳にするが、専門家ではないので、その点は判断できない)。

アニサキス・アレルギーの場合、「30分以内に病院に駆け込まなければ危ないというケースも」と言われ、病院に行けない事態に備えて解毒液の「エピペン注射液(0.3mg)」付きの注射器セット「スターターパック」を所持するように、と指示された。突然死の危険があり、アニサキス症よりもこちらのほうがずっとやばいと初めて知った。

熱処理済みでも冷凍でも加工品でも魚を食べるのはNG

アニサキス症は、胃の中で暴れる生きたアニサキスが問題になる。アニサキス・アレルギーは、生きたアニサキスはもちろん、死骸もアレルギー源だから、体に入れてはいけない。熱処理済みの食材も、冷凍も、魚類を原料とする練り物のかまぼこ、ちくわなどの加工品も危ない。死骸が付着しているおそれがある魚卵もNGである。

大変なことになったと思った。魚好きには重大な問題だ。なのに、医師はたった一言、「大丈夫ですよ。海の魚と、それを原料にしたものを食べなければ」とさらりと言った。 気をつければ問題ないとのことだが、海の魚類はノーという宣告である。「海の魚は全部、だめですか」と質問したが、「その点は専門が違うので」という返事であった。

治療や投薬、アニサキス・アレルゲンの不摂取などの食生活の改善、あるいは時間の経過による自然治癒も含めて、将来、もう一度、魚を食べられる日が訪れるかどうか。「海の魚をいっさい食べないようにして10年後にもう一度、検査すると、何十人かに1人、数値が大きく下がる例はあるようです。だけど、まあ、治らないものと思って気をつけて暮らしてください」という答えだった。目の前が真っ暗になったような気がした。

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