一念発起で「脱サラ!」失敗する人の三大特徴 上司もいない中、自分を律することができるか

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そして、3つ目の特徴は「数字が読めない」ということです。

数字の認識の誤りは致命的な経営判断のミスにつながり、それによって倒産する会社もあります。例えば「利益が出ている=儲かっている」という認識の誤りです。実際そう思っている経営者はかなり多いです。念のため、なぜこれが認識の誤りかを説明しておきます。

会社は赤字が続いても、必ずしも倒産するわけではありません。しかし、キャッシュ(現金+預金)がなくなり、支払いが滞ると倒産します。つまり、赤字であってもキャッシュがあれば会社は続けられますが、黒字であってもキャッシュがなくなれば倒産します。これを「黒字倒産」といいます。

そのため、経営において重要なのは利益よりキャッシュであり、実態として儲かっているかどうかも利益が出たかどうかではなく、キャッシュが増えたかどうかで判断すべきなのです。

この点、利益は出ているのにキャッシュは減っているというケースがあります。その原因は、借入金の元本の返済や売掛金の回収遅延、在庫の滞留などが挙げられます。

キャッシュが減り続けているのに、利益が出ているから儲かっていると思い込み、従業員を増やす、新たな設備を購入するなどして、キャッシュが底を尽き、倒産。これも典型的な独立の失敗例です。

サラリーマン時代に数字を読んで経営判断を行うことをしていなければ、独立後にこういう失敗をする可能性は十分にあります。

独立する前に意識しておくとよい3点

①自分を律する環境がなくなる
②会社の肩書がない状態でビジネスをする
③数字を読んで経営判断をする

これらはサラリーマン時代にはなかなか経験できないものです。だからこそ、サラリーマン時代は活躍できていても、これらのことが原因で独立後にうまくいかなくなることがあるのです。

今後、独立を目指される方はこういった点を意識しながら、日々の仕事に取り組んでいただければと思います。それを意識するのとしないのとでは、独立後の展開に大きな違いが生じるでしょう。

藤田 耕司 経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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ふじた こうじ / Koji Fujita

一般社団法人日本経営心理士協会代表理事、公認会計士、税理士、心理カウンセラー。これまで1200件超の経営相談を受け、心理学と会計を活用した経営改善を行う。その経験から経営者の心理、部下の心理、顧客の心理を分析し、経営心理学として体系化することで経営改善の成果を高める。また、経営心理学を学ぶ「経営心理士」の資格を創設。経営心理士講座の受講生はのべ5000名を超え、その内容は大手企業や省庁でも導入される。著書に『リーダーのための経営心理学』(日本経済新聞出版社 日本、台湾、韓国の3カ国で出版)、『経営参謀としての士業戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)。

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