日本ハム「きつねダンス」が生んだ"本当の価値" 応援が制限された球場でも簡単に参加できる

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これは、ノルウェーの兄弟ユニットでコメディアンのイルヴィス(Ylvis)が、2013年にリリースした「The Fox」という曲の一部に、チアガールが振り付けをしたもの。「What Does the Fox Say?(キツネは何と鳴く?)」という他愛ない歌詞だが、中毒性のあるメロディで、これまで地元ノルウェーだけでなくアメリカや韓国でもヒットしてはいた。

しかし9年も前のヒット曲に着目し、日本伝統のキツネの「振り」も取り入れて新たなダンスに仕上げたセンスは相当なものだったと言えるだろう。

「もうちょっと見たい」と思わせる長さ

筆者は6月に札幌ドームで日本ハム戦を2試合観戦した。「きつねダンス」は、試合の前半、イニングの合間に予告なく突然始まる。例の特徴的なメロディが流れ、チアガールがグラウンドに現れ、踊り出すと、スタンドの観客も見よう見まねで踊り始める。松本剛、清宮幸太郎など日本ハムの選手たちも体を動かす。

相手チームのベンチでも、真似をし始める選手が出はじめる。イニング間の時間は2分15秒と決められているから、きつねダンスはそれ以内に終わってしまう。音楽に球場のアナウンスがかぶさると、ファイターズガールたちは手を振りながら、さーっと引っ込んでしまうのだ。

きつねダンスは1試合で1回しか演じない。観客に「もうちょっと見たい」と思わせる物足りない感じで終わってしまうのだ。ファイターズガールはきつね耳のカチューシャだけだったが、途中から尻尾もくっつけるようになって、キュートさが増した。そして、どんどん人気が高まっていったのだ。

今のNPBには広島東洋カープを除く11球団にチアガールがいる(広島はホームランガール)。球団では毎年オーディションを行ってチアガールを募集している。その競争率はかなり高い。またチアダンススクールを併設している球団もある。DeNAなどは幼稚園や小学校の野球教室にもチアガールを派遣し、ダンスを教えたりしている。

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