「奨学金150万円」46歳彼のグッジョブだった3決断 「奨学金は少し足りないぐらいがちょうどいい」

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結局、毎日往復5時間近くかけて通うことになったが、タフな市本さんは学業だけではなく、サークル活動にも精を出した。

「中高でテニス部だったので、いくつかあるサークルの中では真剣に活動しているところに入りました。部活ではないので、コートも近所にある市のコートを使って、会費は毎月3000〜4000円。あとは、合宿が年に2回あって約10万円かかり、大会に出場するごとに3000円のエントリー代。あとはラケット代や雑費で、年間で20~30万円ぐらいしかかかりませんでしたね」

アルバイトを通じて経験が増えていく

学費も年間50万円以下で、サークルもフルコミットして20万円以下。なんでも値上がりしている昨今の状況からすると羨ましい限りだが、それもほとんど奨学金で賄えた。足りない分はアルバイトで補ったが、市本さんはそこでもさまざまな経験をする。

「知り合いのツテで一時期は、時給5000円の家庭教師のアルバイトを週に1〜2回やりましたが、基本的には単発バイトを重ねていました。近所に有名なパン工場があって、そこでの夜勤は日給8000円。日払いだったので、金欠のときは一晩働いて翌朝、賞味期限切れのパンをもらって帰っていました。仕事は単純作業ですが、運よく配送用のトラックに積み込む作業をしていたので、体も動かせたし、辞めずに済みました。

そのほかにも、工場の引っ越しバイトなどをやっていました。日が昇る前に集合し、車に乗って毎回異なるところに派遣されるので、朝日で起きたら栃木県だった、なんてこともありましたね」

親の期待する東大には入れなかったものの、十分満足のいく経験と学歴を手にすることができた市本さん。卒業を1年後に控えた3年生になると就職活動が本格化した。

市本さんの通っていた大学は、伝統的に銀行・証券・保険会社などの金融系企業に就職する人が多い大学だという。実際、クラスメイトも大勢、金融系の企業に就職していった。大学のOBたちから直接スカウトが来ていたからだ。

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