「奨学金150万円」46歳彼のグッジョブだった3決断 「奨学金は少し足りないぐらいがちょうどいい」

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しかし、東大合格はそんな簡単な道ではなく、2回受験するも不合格。きょうだい揃って中高と私学だったことも影響したのか、東大以外の大学は学費を出してくれそうな気配もなかった。

「浪人中のお金は親に出してもらえたのですが、大学はやはり『東大ではないから』と……(笑)。ただ、2年目のセンターで外してしまったので、もう後先考えずに後期で出願した大学に進むことにしました。それでも父は『我関せず』というか、怒ることもなかったですね。一方で、妹は都内の有名私立に進んだにもかかわらず、普通に学費は出してもらえていました」

こうして東大は諦め、都内の難関国立大学に進んだ市本さん。入学金は貯めていたお年玉で賄えたが、学費はそうもいかないため、奨学金を借りることになる。

奨学金を借りた経緯と人生の転機

「第二種奨学金(有利子)を毎月3万円、4年間で150万円程度借りました。当時の学費は年間46万円で、半期ごとに23万円払う必要があったのですが、奨学金があれば残りはアルバイトでどうにかなる金額だったんですよね。だから、両親も借りることには何も言わず、むしろ『保証人にはなるよ』と言ってきたぐらいでした」

今と比べると国立大学も学費が安かったようだが、それでも市本さん自身、なかなか「東大信仰」は抜けなかった。それゆえ入学して一時は仮面浪人も考えたが、必修の講義が人生の転機となる。

「最初は1年で辞めようと思って、最低限の講義しか取らなかったのですが、基礎科目のマーケティングの講義が面白かったんですよ。そこから仮面浪人を取りやめ、『この大学をちゃんと卒業して、将来はマーケティングを仕事にしよう』と思うようになりました」

しかし、実家が千葉にあった市本さんは、大学に通うことすら一苦労。通学するのに実家から大学まで2時間以上かかった。少なくない人が下宿を考える状況だが、ここで彼は長時間通学を選択した。

「入学当初は一人暮らしも考え、不動産屋に行って説明も聞いたのですが、とてもじゃないけど初期費用がかかりすぎて……。入学金も前期の学費も払ってしまい貯金もなかったのでいったん諦めて、そのうち通学にも慣れてしまいました。もともとあまり寝なくても大丈夫な体質だったし、始発だったので席に座れるからまだ耐えられたんです」

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