例えば、前項の1にあった「日本の少子高齢化は問題だ」は、次のように書いてあったら「意見」と言えます。
「日本は諸外国と比べても高齢化率が大きく、それが日本の財政を圧迫している。これはこれからどんどん深刻化していく問題だと感じるので、私は、これからの日本のことを考えると、もっと日本が子どもを育てやすく、産みやすい国になるような施策が必要だと思う」
別に意見として内容があっているか間違っているかではなく、ただ単純な事実として、今の文章は「意見」だと多くの人が認めるレベルになっていると思います。
4つの要素がすべて入ると、意見として成立する
「日本の少子高齢化は問題だ」というのは、ただ「問題」を述べているだけですよね。「これが問題だよ」と言われたとしても、「えっ、なんで?」「そう考えた論拠はどこにあるの?」「っていうか、だからどうしろっていうの?」など、たくさんの事柄で突っ込まれてしまいます。
先ほどの漫画でも述べられていたとおり、これは「意見」ではないのです。
もっと言うと、この「日本の少子高齢化は問題だ」には、「問題」だけが書いてあって、「事実」「自分」「提案」の3つがありません。
①の客観的な事実がないから「本当にそうなの?」と言われてしまいますし、③の考えた人の思考の過程がないから「どう考えてそうなったの?」と訝しがられてしまいますし、④のどうするべきなのかが述べられていないから「で、結局なんなのさ? どうすればいいってのさ?」と突っ込まれてしまうのです。
先ほどの「意見」を細かく見てみると、
②これはこれからどんどん深刻化していく問題だと感じるので、【問題】
③私は、これからの日本のことを考えると、【自分】
④もっと日本が子供を育てやすく、産みやすい国になるような施策が必要だと思う【提案】
と、意見の4つの要素がすべて入っているから、意見として成立するのです。このように、自分の意見を述べるというのはきちんと客観的なデータとそれに付随する問題、そしてそれに対する自分の解釈と相手への提案がないといけないわけですね。
漫画の最後でも述べられていましたが、意見というのは「型」です。型があれば、意見は意見として成立します。型を自分の中にインストールできるように、ぜひ訓練を積んでもらえればと思います。
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