いかがでしょうか。客観性がないと、意見ではない。この考え方は非常に重要です。
例えば、次の3つの文のうち、みなさんが「意見」だと思うものはどれですか。
2.私は、ピカソは優れた芸術家だと思う
3.タバコは発ガン性物質を多く含んでいるので禁止にするべきだ
おそらくみなさんは「うーん、全部何か足りないな……」と感じたのではないでしょうか。「意見」と呼ぶには何かが足りていない……そんな印象を持った人が多いと思います。それもそのはずで、1~3は、すべて「意見」ではありません。どれも「欠けている部分」が存在していて、そこを補わないと「意見」にはなりえないものです。
実は多くの人は、この1~3のように「欠けた意見」のまま、意見として述べてしまうことが非常に多いです。どこかが欠けているから、自分が「意見」だと考えて述べたものがほかの人から「意見」だと捉えられない、つまりは自分の意図のしたとおりに相手に伝わらない……ということが起こっているのです。
意見が成り立つための方程式
ではいったい、何が足りないのでしょうか。その答えを先に言ってしまうと、意見というのは、
「①事実」+「②問題」+「③自分」+「④提案」=「意見」
という方程式でできていると定義できます。
それぞれを簡単に説明すると、
②問題:自分は何が問題だと捉えているのか、どこが解決すべきポイントなのか
③自分:自分の考え。意見を言う主体はどう考えているのか、どういう価値観を持っているのか
④提案:結局、何をするべきなのかという結論・アドバイス
この4つがきちんと入っているものは、「意見」になると考えることができ、逆に意見だとはいえないものというのは、この要素の中のどれかが抜け落ちてしまっているものなのです。
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