「人望がない人」は、大体"話しすぎ"ている 職場で、どうすれば人はついてくる?
おもしろさとは、笑うだけではありません。厳しく、緊張し疲弊する場面でも、力を合わせ成し遂げたとき、「おもしろい」と人は感じます。リーダーはそのために、みんながその仕事に参加していると感じさせる努力をしなければなりません。ほかの監督が撮影している合間でも、余裕のあるときはできるだけスタッフとコミュニケーションをとるように心掛けました。お昼に彼らが出前を頼むなら、自分も頼みたい!などと参加するのです。
しゃべりすぎは有害無益
それから、出演者や脚本家などの打ち合わせでは、自分をアピールするための発言をやめました。よくあるでしょう。いい意見が出たあとに、「僕もそう思ってました。確かにそれは……」っていう人。自分を振り返ってください。無意識にしてしまう行為です。なぜなら本当にそう考えていたから。だけどこれはうっとうしいだけです。だからそうした言葉が出そうになったら、ぐっと堪えるようにしました。
日常の会話でも、「この前ハワイに行ってさぁ~」って発言に、「あ! オレも3年前に行って」ってなどとは、絶対に言わないようにしています。これは、無意識に「会話泥棒」をしてしまっているわけです。
悩み相談もそうです。これまでは相談を受けると、すぐに「それはさぁー」と言っていたのをぐっとこらえ、とにかく吐き出させるための質問をするようになりました。「あまちゃん」が終わって帰省したとき、妹からは、「兄ちゃんしゃべりやすくなった。すぐに正解を言わなくなったから」と言われました。
正解を言わなくなったら、愛されるようになる――ここにコミュニケーションの真髄があります。
思い返せば、過去、僕は初めてのデートで、5時間その人の人生をずっと聞き続けた結果、「吉田さんっておもしろい!」って言われたことがあります。僕がしゃべったことは、「いつから?」「どうして?」「へーすごいね」ぐらいです。なのにおもしろいと思われるのです。
最初はしんどいです。でも「おもしろい人」になるためには、「聞く」「黙る」は必要です(ただ、その人とは、それっきりでしたが。いくらおもしろいと思われても、やっぱり僕だって話を聞いてほしいですからね)。
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