やけに「話が面白い人」が実践するたった1つのコツ 漫画「ワンピース」を読んだ感想、どう伝える?

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「めちゃめちゃ面白い!」では買わなかったのに、

「『ワンピース』を読むと、友達を命がけで守りたくなる」

では即座に全巻買ってしまった。この2つは何が違うんでしょうか?

ここに伝えることの本質が隠れています。考えてみてください。

ヒントとして、もう一例あげましょう。「I love you」という言葉が日本に入ってきたときに、当時、英語の先生をしていた文豪・夏目漱石はどう訳したと思いますか?

「私はあなたを愛しています」ではなく、夏目漱石はこう訳したそうです。

「あなたといると月がきれいですね」

あなたがいるといつもの風景がなんだか違って優しく見える。夏目漱石は「I love you」を心の風景として描いたのです。

これでわかりましたでしょうか?伝えるって、相手の頭の中に、言葉で絵を描くことなんです。

面白い伝え方というのは、頭の中に具体的で、印象的な絵が浮かぶのです。相手の頭の中に絵が浮かぶと、「伝える」は「伝わる」になるのです。

「面白い!」や「愛しています」を絵に描いてくださいと言われても、抽象的だし、浮かびにくいですよね。

でも、「『ワンピース』を読むと、友達を命がけで守りたくなる」のほうは、命がけで友達を守ろうとする絵が浮かんできますし、「愛しています」より、「あなたといると月がきれいですね」のほうが印象的な絵が浮かびます。さすが、吾輩は猫である、ですね!

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日常会話でも、「美味しかった」「楽しかった」「悲しかった」「嬉しかった」だけでは、相手に響いてないんです。「面白かった」「美味しかった」と何万回伝えても、相手の頭の中に具体的な絵が浮かばないからです。

頭の中で絵が浮かばないと、相手の記憶(印象)に残らないんです。

話が面白い人って、相手の頭の中に印象的な絵を描ける人なんです。

例えば、「美味しかった」ひとつでも、こんな風に表現すればぐっと印象に残ります。

「あそこのラーメン食べたら、明日は悔いなく死ねるよ」

これは僕の友人が実際に言われた言葉で、すぐにそのラーメン屋に駆けつけたそうです。「美味しい」ではいまひとつ具体的な絵が浮かばない。でも、明日悔いなく死ねるラーメンと言われたら、最高の笑顔でラーメンを食べてる姿が浮かびます。

これはまた別の友人が、お昼ご飯に迷っていたときに、ある看板を目にして迷うことなくすぐに入店したそうです。

看板になんて書いてあったかというと、

「人妻の手ごねハンバーグ」

人妻が手でハンバーグをこねてる姿が否が応でも浮かんでくる(笑)。

また、作家の開高健さんは、福井県の越前ガニをこう表現しました。

「それはさながら海の宝石箱である」(開高健全集『越前ガニ』より)

越前ガニを見るたびに、「海の宝石箱」だって一生思いだすことでしょう。

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