それどころか、作業の途中で「例の件、まだ?」など催促されたり、せっかく仕上げても「遅いじゃないか」と言われたり、さらに依頼された側が「なるはや」の指示に圧力を感じ、無理をして対応しようと頑張りすぎるあまりに体調をくずすようなことがあれば、パワハラにだって発展しかねません。相手を慮ったつもりの曖昧表現での指示というのは、実は身勝手でわかりにくく、作業する側にとっては厳しい判断を迫られていることになるのです。
具体的な日時で指示ができる
その点、感じがいい人、好かれる人というのは、仕事を依頼する際も「○月○日の○時まで」というように、詳細な期限を設定してくれます。
一方で、こうしたはっきりとした期限設定は、相手の都合が考慮されていないようで、心苦しく思うことがあるかもしれません。けれど、依頼される側としては、逆に期日がはっきりしているほうが、スケジュールに組み入れやすく、対応しやすいのです。
もし、気になるようなら、「○月○日の○時まで(にお願いします)」という指示・命令口調ではなく、「○月○日の○時までにお願いできませんか?」というような、相手に判断を委ねる依頼・質問形の表現を使うのもテクニックのひとつ。
特にメールなどの非対面コミュニケーションでは、文字の印象がそのまま伝わるので、よりやわらかい依頼形表現が効果的です。そのうえで「日程が厳しければご相談ください」と、ひと言フォローを入れれば万全。ただし、あくまで、最も重要な日時などの指示出しは明確に言い切ることを忘れないでくださいね。
このように、相手によってどうとでも取れる曖昧表現は、ほかにも「朝イチ」「午後イチ」「本日中」「今週中」「あとで」「改めて」など、数限りなくあります。「本日中」と言われても、終業時間なのか、その日の0時までなのか、人によって捉えかたが違います。「改めて連絡します、って言われたけど、結局いつまで待てばいいの」とモヤっとした経験がある人もきっといらっしゃるでしょう。
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