そのため、こうした感覚的曖昧表現はしっかり相手に伝わる言葉に言いかえることが大切なのです。特にビジネスシーンではちょっとした行き違いが思ってもいなかった大きなトラブルや損害につながりかねませんから、ことさらに気をつけたいものです。
「以心伝心」は幻想、伝える努力を怠らない
「察するが美徳」の文化が浸透しているわが国においては、曖昧表現でのやりとりがいまだに多く残っています。また、社会生活の中で、「空気が読めないやつと思われたくない」「自分が我慢すれば丸く収まる」といった思いから、自分の気持ちを抑え込むことも多くあります。こうしたことを続けていくと、自分の本心がつかみづらくなるだけでなく、自分ではっきりと認識できないことは、伝え方が曖昧になります。「以心伝心」という言葉がありますが、残念ながらこれは幻想です。言葉でしっかり伝えなければ、相手には伝わりません。
テレワークが浸透し、メールのやりとりが主流になった今、メールを送ったことで「伝えたつもり」になっているケースも多々あります。こうした一方的なメールでの伝言も、曖昧表現も、足りないのは相手への思いやりです。察してくれる、わかってくれると思わずに、相手に伝える、伝わる努力を惜しまないこと。より具体的かつ明確に伝えるためにはどうしたらいいかをしっかり考えて、行動する。その第一歩が曖昧表現の排除です。
さらに、わかったつもりにならず、ちゃんと伝わったかどうか、相手に聞いて確認することも必要です。面倒に感じるかもしれませんが、これこそがコミュニケーションの基本。人は基本的にはわかり合えないものです。それゆえに、わかりあうための手段を講じ、そのプロセスを積み重ねていくことが大切なのです。そしてそうした努力ができるのが「感じがいい人」であり、円滑なコミュニケーションはその中から生まれるのです。
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