めまいというのはなぜ起きるのだろうか。それについて考える前に、人間はなぜ日頃、動かずにピタッと座ったり立ったりできるのかを考えてみたい。菅原医師によると、人は体から3つの情報を得ることで「止まって」いられるのだという。
めまいはなぜ起こるのか
「視覚、平衡感覚(体のバランスを保つ機能)をつかさどる内耳の三半規管、足の裏などを通して感じる重力の感覚から、『自分は空間の中でピタッと止まっている』という情報を私たちは得ることができています。視覚と内耳、足の裏の感覚が正常ならめまいは起きない。ここになんらかの異常を来したときにめまいが起こります」(菅原医師)
めまいで受診する患者の約7割が診断されるのは、「良性発作性頭位めまい症」だという。その原因は、三半規管の中に耳石の小さい欠片(かけら)が入り込んでしまうため。つまり、三半規管の異常がこのめまいの原因だ。
三半規管の根元あたりには重力や体の方向を感知する耳石器という器官があり、耳石は通常、この耳石器の中に入っている。それがなにかの拍子に剥がれて、三半規管に入ることでリンパ液の流れを乱し、三半規管を強く刺激することで発症する。
「耳石が剥がれる原因としては、スポーツや事故などで頭に衝撃が加わったことによる場合もあれば、とくにこれといった原因がないことも多い。主に加齢が関係しているといわれています」(菅原医師)
一方で、この病気に関しては、ストレスはあまり関係ないという。
でもなぜ、加齢が関係するのだろうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら