独BMW、欧中米に「車載電池工場」6カ所新設の狙い 中国CATL、EVEと総額1兆4000億円超の調達契約

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BMWグループは、世界販売に占めるEVの比率を2030年までに半分以上に引き上げる計画だ。写真はドイツ・ミュンヘンの本社ビル(同社ウェブサイトより)

ドイツ自動車大手のBMWグループは9月9日、車載電池のグローバルな調達体制を構築するため、電池メーカーと共同で世界に6カ所の工場を新設すると発表した。年間生産能力20GWh(ギガワット時)の工場をヨーロッパに2カ所、中国に2カ所、北アメリカに2カ所、それぞれ設ける計画だ。

BMWグループは「BMW」、「ミニ」、「ロールスロイス」という3つのブランドを展開している。上述の工場は、3ブランドで共用する次世代EV(電気自動車)プラットホームに搭載する電池の供給拠点となる。

注目すべきなのは、6カ所の電池工場のうち4カ所の建設を中国の電池メーカー2社が引き受けることだ。具体的には、寧徳時代新能源科技(CATL)と億緯鋰能(EVEエナジー)が、ヨーロッパと中国にそれぞれ1カ所ずつ建設する。それらの工場の稼働を担保するため、BMWは総額100億ユーロ(約1兆4351億円)を超える調達契約を両社と結んだ。

ミニとロールスロイスを全面EV化

CATLとEVEエナジーのBMW向け工場は、ヨーロッパではどちらもハンガリーのデブレツェン市に建設される。中国での建設地は、現時点ではまだ明らかにされていない。

EVEエナジーは2022年3月、デブレツェン市に土地を購入し、電池工場を建設すると発表していた。8月にはCATLも、ヨーロッパで2カ所目の工場をデブレツェン市に建設し、メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンなどに供給する計画を明らかにした。

実は、BMWグループの次世代EVプラットフォームの工場もデブレツェン市に建設される。この工場には総額10億ユーロ(約1435億円)が投じられ、2025年に完成する予定だ。

本記事は「財新」の提供記事です

BMWグループは、2025年末までに全世界で累計200万台以上のEVの販売を目指している。さらに、2030年までにグループの世界販売台数に占めるEVの比率を半分に引き上げるとともに、ミニとロールスロイスの全車種をEVに移行させる目標を掲げている。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は9月10日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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