中国の車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は8月23日、2022年1~6月期の半期決算を発表した。それによれば、売上高は前年同期の2.6倍の1129億7000万元(約2兆2605億円)、純利益は同1.8倍の81億7000万元(約1635億円)に達し、大幅な増収増益を記録した。
決算報告書によれば、CATLの1~6月期の電池生産量(容量ベース)は125.32GWh(ギガワット時)に上った。また、同社が開示した決算説明会の要約によれば、1~6月期は電池の販売実績も100GWhを突破したことを経営陣が明らかにした。
CATLの最大顧客は、アメリカのEV(電気自動車)大手のテスラだ。1~6月期のテスラ向け売上高は140億元(約2801億円)に上り、総売上高の12.4%を占めた。
4~6月期の業績で目を引くのが、直前の1~3月期と比較した利益率の改善だ。1~3月期の純利益は14億9000万元(約298億円)と、前年同期比23.63%の落ち込みを記録。その原因についてCATLは、(リチウムやニッケルなど)電池の主要原料の価格が急騰するなか、電池を納入している顧客との値上げ交渉が追いつかなかったため、と説明していた。
値上げの浸透で粗利率が改善
その後、個々の顧客との交渉がまとまるごとに、CATLは電池の納入価格を逐次引き上げてきた。決算説明会の要約によれば、値上げが浸透した効果で4~6月期の粗利率は上昇に転じ、1~6月期を通じた粗利率は18.7%となった。
なお、1~6月期の事業セグメント別の売上高と粗利率は、車載電池の売上高が791億4000万元(約1兆5836億円)で粗利率が15.04%。電池材料は同136億7000万元(約2735億円)で20.65%。蓄電システムは同127億4000万元(約2549億円)で同6.43%だった。蓄電システムの粗利率が低いのは、(車載電池とは顧客との取引形態が異なり)値上げの浸透が遅れているためだ。
CATLは近年、海外市場の開拓に精力を注いでおり、1~6月期の海外電池事業の売上高は前年同期の2.2倍の222億5000万元(約4452億円)に拡大。総売上高に占める比率は19.7%と2割に迫った。
同社は初の海外工場をドイツに建設中であり、2022年4月には進出先のテューリンゲン州政府から電池セルの生産許可を取得した。
また、同年8月にはハンガリーに最大73億4000万ユーロ(約1兆円)を投じて2カ所目の海外工場を建設すると発表。その設計生産能力は年間100GWhに上る。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は8月24日
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