アメリカのゼネラル・モーターズ(GM)は10月15日、中国の上海汽車集団との合弁会社である上汽通用汽車(上海GM)が上海市浦東新区に建設した新工場で、電気自動車(EV)用の次世代電池モジュール「アルティアム」の現地生産を開始した。
アルティアムはGMが新開発したEVプラットフォームの総称で、電池モジュールやパワートレーンなど構成要素の呼び名にも使われる。新工場で生産する電池モジュールは、2022年に中国市場で発売する高級EV「キャデラック・リリック」に最初に搭載される。
上海GMは2025年までに、アルティアム・プラットフォームをベースにした「新エネルギー車」を10車種以上、中国で生産・販売する計画だ。それらは同社の3大ブランドであるビュイック、シボレー、キャデラックからそれぞれ投入されるという。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
EVシフトへの出遅れを挽回できるか
自動車のEVシフトに関して、上海GMは比較的早くから布石を打っていた。だが、今のところ実績が伴っていない。GMのメアリー・バーラCEO(最高経営責任者)は、2017年の時点で「2020年までにEVとPHVを含む10車種の新エネルギー車を中国で発売する」と宣言していた。
しかし、上海GMが一般消費者向けの初のEV「ビュイック・ヴェリテ6」をようやく投入したのは、2019年4月のことだった。同社は2020年に中国で146万7000台の新車を販売したが、そのうち新エネルギー車は2万台にも満たない。
その間に、中国市場ではEVの普及が予想を超えるスピードで進んだ。業界団体のデータによれば、2021年9月の新エネルギー乗用車の販売台数は前年同月の3倍の33万4000台に増加し、(エンジン車を含む)乗用車の総販売台数の21.1%を占めた。
また、9月の新エネルギー乗用車の販売では、中国メーカーの独自ブランドのシェアが36.1%に達した。一方、(上海GMを含む)外資系の大手合弁ブランドのシェアは、わずか3.5%にとどまっている。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は10月15日
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