中国の上海市政府は2月25日、「新エネルギー車」の産業発展の加速を目指す5カ年計画を発表した。2025年までに、個人が購入する新車に占める電気自動車(EV)の比率を50%以上に引き上げる。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、プラグインハイブリッド車[PHV]、燃料電池車[FCV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
さらに路線バス、観光ハイヤー、政府機関の公用車、中心市街地を走る配送トラック、郵便車両などは全面的に新エネルギー車に切り替える。国有企業の業務車両や清掃車は80%以上、ネット予約ハイヤーは50%を新エネルギー車にすることや、FCVを1万台以上に増やすなどの目標も掲げた。
この5カ年計画は、2月4日に市政府内部で通知された新政策と軌を一にするものだ。新政策では、2025年までに上海市の新エネルギー車の生産台数を年間120万台超、生産額を同3500億元(約5兆7300億円)超に引き上げ、市内の自動車生産総額の35%以上に高めることを目指している。
上海汽車など地元企業を強力サポート
その実行にあたり、市政府は地元企業を強力にサポートする。中国の自動車最大手の上海汽車集団に対する支援を計画に明記。2025年までに同社の独自ブランド乗用車に占める新エネルギー車の比率を30%以上に、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)およびアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)との合弁会社を含むグループ全体では同20%以上にする。
さらに、新エネルギー車の関連事業で売り上げ規模が100億元(約1640億円)級のユニコーン企業の育成を図る。そのために、新エネルギー車の中核部品の分野で企業誘致に力を入れるとともに、地元企業による中国内外でのM&A(合併買収)を支援する。また、国有企業に対して株式インセンティブの試験導入を奨励。優れた開発チームに株式を付与し、スピンアウトによる上場を促進するという。
なお5カ年計画では、上海市政府はさしあたってEVの産業発展を優先し、とくに公共車両の全面電動化を推し進める。FCVに関しては(水素ステーションの建設など)条件を整備しやすい近郊地区の路線バス、大型トラック、冷凍冷蔵車、清掃車などに試験導入を進めていく。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は2月25日
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