インフレ高進への警戒が世界的に広がったことに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻も重なり、2022年の前半は日本株に上値の重さが目立った。ただ、コロナ禍の影響は次第に緩和しており、相場が再び明るい方向に向かうことも期待できる状況だ。
会社の示す期初の業績見通しに対して、実際の業績が上振れるかどうか――。「上方修正」や「上振れ着地」の可能性をどの程度見込めるかは、株価の先高期待に大きく関わってくる。当初の想定よりもいい業績を期待できる企業を探すうえで欠かせないのが、会社の通期計画に対する四半期業績の進み具合を示す進捗率だ。
そこで、9月16日(金)に発売した『会社四季報』2022年4集(秋号)に掲載した「四半期営業利益 高進捗率ランキング」の一部を紹介したい。2023年2月期・3月期決算企業を対象として、会社の通期営業利益計画に対する第1四半期の営業利益進捗率が過去3年の平均値を超過している順にランキングにまとめた。
なお、今期の四季報予想の営業利益が20億円以上の会社を対象とし、過去3年の第1四半期に赤字があった会社や決算期を変更した会社は除いている。
原材料・燃料価格の上昇が想定を下回る
進捗率の超過度が1位だったのは、飲料缶やペットボトルなど包装容器首位の東洋製罐グループホールディングス。包装容器ではガラスや紙製品も扱い、鋼板関連事業では車載用の2次電池材料も手がける。通期の会社計画営業利益に対して第1四半期の進捗率は93.6%で、過去3年平均より60.7ポイント高かった。
輸入原料に依存する同社は、アルミやナフサの原材料・燃料価格高騰が直撃して大幅営業減益の見通しだ。ただし、7月29日に発表した2023年3月期第1四半期(2022年4~6月)決算と同時に公表した2023年3月期通期の営業利益予想について、従来の20億円から85億円に大幅な上方修正をしている。
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