原材料・燃料価格の上昇幅が期初想定を下回ったことなどで、前期比の営業減益幅が縮小している。このあとも原材料・燃料価格の動向や価格転嫁の進み具合などによっては、業績が一段改善に向かう可能性がありそうだ。
2位は中堅マンションデベロッパーのゴールドクレスト。首都圏を軸にファミリー向けから高級タワーマンションまで幅広く開発する同社の2023年3月期第1四半期の営業利益進捗率は82.7%で、過去3年平均の29.6%に対して53.1ポイント超過した。
期初に川崎の事業用地を売却したことなどが効いて、好発進となった。第1四半期に高い進捗率を示したことで、業績が上振れ着地するかどうか第2四半期以降の動向が一層注目される。
3位には、養殖業者への養殖用稚魚・飼料販売と鮮魚の販売が事業の2本柱で、愛媛県宇和島市に本社を構えるヨンキュウがランクインした。2023年3月期第1四半期の営業利益進捗率は74.2%で、過去3年平均の25.9%を48.3ポイント上回った。養殖ブリやマグロなどの価格上昇に加えて、ハマチ稚魚の販売数量も増加したことが寄与した。
今期は物流費や燃料費の高騰がマイナスに働くが、コロナ禍の影響緩和によって外食などの需要が期初の想定より増加していけば、業績上振れの公算が高まる。
今後は価格転嫁が進むかどうかにも注目
4位の東洋エンジニアリングなど、そのほかにランクインした企業にも多く見られるのが、原材料・燃料価格の高騰が今期の利益を圧迫するとの見立てだ。ただ、東洋製罐GHDのように会社が予想していたよりも原材料・燃料価格の上昇幅が小さい状態で推移すれば、期初の計画に対して業績が改善することにつながる。
また、製品やサービスへの価格転嫁が期初の想定よりも順調に進めば、それも業績にはプラスに作用する。今期の業績が会社計画より超過する企業を探すには、四半期決算の内容に加えて、原材料・燃料価格の推移や、値上げの発表についても目を配っておくことが例年以上に重要といえるだろう。
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