2022年度の最低賃金が全国加重平均で31円引き上げられ、全国平均の時給は961円になると厚生労働省が発表した。10月から適用され、最も高い東京では1072円になる。ちなみに30年前の1992年は東京でも601円(厚生労働省の資料参照)で80%近く上昇している。
このように最低賃金が大きく上がる中、上場企業など大手・有名企業の社員の時給はどうなのだろうか。今回は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2022年版掲載の平均年収を年間総労働時間で割った各社の「計算時給」を算出し、上位100社をランキング。「時間当たりの収入が高い企業」をご紹介する。
1位の三菱商事は時間当たり8458.3円
ランキング1位は総合商社の三菱商事で8458.3円。2017年のランキング初公表から6年連続でトップ。2020年度の平均年収は1678.3万円で総労働時間は1984.3時間。社員の平均年齢は42.7歳で、新卒入社後20年でこのくらいの時給になると考えてよいだろう。
フレックスタイム、短時間勤務、時差勤務、半日単位の有給休暇など柔軟な働き方を実現できる制度が充実。男性の育児休業は2020年度で取得率53.7%(102人)と高いレベルにある。ハードワークのイメージも根強い総合商社だが、仕事と子育てが両立できる職場に少しずつ変わりつつある。
1人当たり年間教育研修費用は28万6000円で全社平均の5万6626円(対象489社)を大きく上回る。資格・技能検定の取得奨励制度や自由応募形式の無料講座などスキルアップの機会も数多く用意されており、会社として教育関係に力を入れていることがわかる。
SDGs(持続可能な開発目標)の面でも評価が高く、先月発表した「SDGs企業ランキング」では44位と高順位。サステナブルな原料の供給やサンゴ礁保全プロジェクト、熱帯林再生プロジェクトの実施など総合商社ならではのグローバル視点での幅広い取り組みを行っている。
2位は不動産業のヒューリックで7782.6円。平均年収は1708.1万円で総労働時間は2194.9時間。週1回以上の「ノー残業デー」の設定や非効率業務や会議の削減を行うなどの働き方改革を継続している。
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