売り上げを効率的に上げているのは、いったいどんな企業なのか――。東洋経済オンラインは上場企業の最新決算を対象とした「1人当たり売上高」を調べ、トップ500社をランキングした。
言うまでもないが売り上げとは、企業が商品やサービスの提供などの営業活動によって得た収益のこと。「1人当たり売上高」ランキングでは、それぞれの企業の直近本決算における売上高を従業員数で割って算出し、全体の売上高、営業損益、平均年収も併載した。
従業員数には一般的に派遣やパート、アルバイトなどの非正規社員(臨時従業員)が含まれていないので、実質的な頭数で割り出した数値とは少しズレがあるかもしれないが、企業の営業力や収益性、効率性の目安になるはずだ。
1位はトーメンデバイス
一般的な事業会社と収益計上の概念が異なる金融系(銀行、証券、保険、リース会社の一部)などは除外。一部のデータは『会社四季報』(東洋経済新報社)から抜粋した。
1位はトーメンデバイス。韓国サムスングループの半導体などを扱う専門商社だ。トーメンエレクトロニクス(現・ネクスティエレクトロニクス)から分離・独立し、1992年にトーメン(豊田通商に2006年吸収合併)と三星電子ジャパン(現・日本サムスン)との3社合弁で設立された。扱っている商品と専門商社という業態の特性があるかもしれないが、1人当たり売上高は24億6181万円となった。
2位は電力小売りや発電を手掛けるイーレックスだ。2016年4月の電力全面自由化に伴い、家庭向け市場に参入した。全国に約1400の営業代理店を持ち、オフィスビル、工場、病院などに電力を販売している。また再生可能エネルギーにも積極的で、5基のバイオマス発電所を運営。2025年度中には香川県坂出市での運転開始を予定する。1人当たり売上高は10億7711万円となった。
3位のアルデプロは1人当たり売上高は10億1588万円。収益ビル・マンションの仕入れ販売を手掛ける不動産企業だ。2008~2013年(7月期)まで赤字が続いたが、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を経て復調した。
上位には卸売り系の企業が目立つ。ただ、利益率との関係などを見ると、必ずしも効率的に利益を上げていないケースもある。1人当たり1億円の売り上げを稼ぐ企業は387社だった。