日本が「円安貧乏」から脱却する3つの地道な方法 やっぱりピンチをチャンスに変えるべきときだ

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つまり人口が減少しているこの国では、エネルギー需要がそんなに伸びるはずがない。単純に値段が上がっているのである。ウクライナ戦争に伴うエネルギー価格の上昇は、かくも日本経済に影を落としている。

以下、④医薬品が2.7兆円、⑤半導体等電子部品が2.2兆円、⑥通信機が1.7兆円と続く。最近の日本は「製品輸入大国」でもあり、「日本は原料を輸入して製品を輸出する加工貿易の国」という中学校の社会科で習う知識は、古くなっていることにご注意されたい。せめて新型コロナのワクチンくらいは、輸入ではなく国産で作ってほしいものである。

ともあれ、こんな風に輸入価格が上がるときは、「交易条件の悪化」が起きる。輸入=「仕入れ価格」が上がる一方で、輸出=「商品価格」が上がらないのだから、資金が海外流出してしまうのだ。このことは日本国内の購買力を低下させ、国全体を貧しくする効果がある。さて、それはいかほどの規模なのであろうか。

「ようやく実質GDPがコロナ前回復」は間違い

8月15日に公表された4~6月期実質GDP速報値は、前期比0.5%(年率換算2.2%)増となった。実額ベースで542.1兆円となり、2019年10~12月期の540.8兆円を超えた。これを評して、日本政府は「実質GDPがようやくコロナ前の水準を回復しました」などと喧伝している。これはかなりミスリーディングな議論と言わざるをえない。

そもそもわが国は2019年10月1日、消費税をそれまでの8%から10%に上げたのではなかったか。2019年10~12月期とはその反動減が出たときであり、「コロナ前の水準」というのなら同年の夏、実質GDPが561.9兆円だったころと比べるべきであろう。まだまだピーク時には3.6%くらい足りないのである。

それだけではない。実質GDPから前述の交易差損を引いたものを実質GDI(国内総所得)と呼ぶ。日本経済の「購買力」を見る場合は、こちらを重視すべきであろう。これで見ると、4~6月期の実質GDIは前期比▲0.3%(年率▲1.2%)となり、実質GDPを2.8%も下回っている。実額ベースでは、年間15.2兆円程度が海外に流出していることになる。ああ、働けど働けど、わが暮らし楽にならざり……。

これとは対照的なのがアメリカ経済だ。

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