ジム・ロジャーズ「米ドルは安全な通貨ではない」 アメリカは今後衰退の道を辿るかもしれない

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今の日本人はアメリカ一辺倒だ。だが、ロジャーズ氏は今後もアメリカ株や米ドルに投資し続けることが必ずしも正しいとは限らないと言う(写真:Luxpho (Takao Hara))

シンガポール在住、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。引き続き、『世界大異変 現実を直視し、どう行動するか』から世界情勢を解説していきます。日本でもアメリカ株や米ドルへの投資が過熱していますが、同国経済の行方についてジム・ロジャーズ氏にインタビューをしました。

紆余曲折があっても、次の覇権国は中国

『世界大異変:現実を直視し、どう行動するか』(東洋経済新報社、7月22日発売)。書影をクリックするとAmazonのサイトの購入ページにジャンプします。

「私は、アメリカという国はすでに成長の頂点に到達し、今後は横ばい、あるいは衰退の道をたどっていくと考える」

アメリカは2008年のリーマンショック以降も、12年近くにわたって景気拡大を続けてきました。これはアメリカ史上最長の好景気でした。

さらに、コロナ禍でも同国株は史上最高値を更新してきましたが、その株高を牽引してきたハイテク株の株価を見ても、明らかに割高な水準だったとロジャーズ氏は指摘します。歴史的に考えれば、永遠に続く好況などないことは明確だからです。

「他方、中国はさすがにコロナでブレーキがかかったものの、今後も紆余曲折を経ながらも成長を続けていくだろう。今後、共産党独裁体制が終焉するかもしれないし、場合によっては内戦が勃発するかもしれない。それでも次の覇権国は中国になると見ている」

アメリカは、覇権にたどりつくまでに、1861年からの南北戦争など、幾度とない危機に見舞われました。それと同じように、中国が覇権を握るまでにはさまざまな問題に直面するだろう、とロジャーズ氏は予測します。

「今日すぐにアメリカ株を売って中国株を買おうという考えは時期尚早だが、中国は覇権にいちばん近い国であり、中国株には目を向けている」

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