ジム・ロジャーズ「今は何に投資をすべきなのか」 高インフレ下であなたを守ってくれる資産とは

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ジム・ロジャーズ氏は「再び商品の時代が来ている」と言う。高インフレ時代を迎えた今、何に投資をするのがベストなのか(写真:Luxpho〈Takao Hara〉)

シンガポール在住、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。前回の記事「ジム・ロジャーズ『ついにバブルは終了するのか』」に続き、同氏の最新刊『世界大異変: 現実を直視し、どう行動するか』から世界情勢を解説していきたいと思います。

今回は「新型コロナウイルス危機」やウクライナ侵攻後のインフレの行方についてお伝えします。

利上げでは商品の需要は一時的にしか抑えられない

日本は海外に比べて物価の上昇が緩やかとは言われているものの、ジリジリと上昇しており、もはや見逃せないレベルです。2020年基準を100とする消費者物価指数を見ると、2022年6月(東京都区部)では、電気代122.3、都市ガス代125.4、灯油119.5、調理カレー118.2、ルームエアコン110.8などとなっています。

『世界大異変:現実を直視し、どう行動するか』(東洋経済新報社、7月22日発売)。書影をクリックするとAmazonのサイトの購入ページにジャンプします。

岸田政権はガソリンなどに加えて電気代の補助も打ち出そうとしていますが、「焼け石に水」のようにも感じます。

では、給与が伸び悩み、物価が上昇する時代に、どのように家計や資産を守っていけばよいのでしょうか。ジム・ロジャーズ氏は、今起きているインフレからもわかるとおり、「確実にコモディティ(商品)の時代が到来する」と予測しています。

「ウクライナ危機で農作物を植え収穫する人が少なくなれば、自然と食料生産高も減り、需給の歪みで物価は上昇する。それに加えて、中央銀行がこれまでに行ってきた大量緩和によって歪みはさらに大きなものになっている」

ロジャーズ氏は続けます。

「供給は新型コロナウイルスなどに影響される一方、需要はテクノロジーの変化や中央銀行の大幅緩和によって大きく変わった。利上げをすれば一時的には需要が抑えられるかもしれないが、利上げを行っても農作物や銅、鉛の生産量は増やすことはできず、こういった物を工場で大量生産することはできない。また物流の歪みも物不足を生み、インフレを助長する。さらに、エネルギー価格の高騰は世界的な流通コストの上昇をもたらしている」

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