ジム・ロジャーズ「今は何に投資をすべきなのか」 高インフレ下であなたを守ってくれる資産とは

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「長期的に見れば、商品ほど儲かっている資産は少ない。至るところで紹介しているが、私は1966年から1974年にかけて砂糖の先物が1.4セントから66セントへ上昇する間、安く買った砂糖を持ち続け、価格が45倍以上にもなったときは、とても興奮した。株式と商品の価格変動には逆の相関があって、およそ18年程度のサイクルで両者が変化している。例えば、1906年から1923年にかけては、商品が上昇し株式は行き詰まっていた。その後は逆だった」

ロジャーズ氏は続けます。

「一方、1970年代には商品相場が過熱し、株式が不振だった。この間、アメリカは史上最悪のインフレ期で、株式とは対象的に商品市場は上昇を続けた。砂糖以外にも、トウモロコシは295%も上昇し、石油も1970年代に15倍に上昇、金や銀は10年間で20倍以上も上昇した」

「商品ETF」などを保有すればインフレに対抗できる

このように、株や債券が不振な時代にも商品をポートフォリオに加えると、その値上がりによって利益を得ることができるとロジャーズ氏は言います。  

「現在は、長く続いた『株式の時代』が終わり、再び『商品の時代』が到来しようとしている。過去の時代、コモディティ投資はプロの世界のものだったが、現在では、コモディティ関連のETF(上場投資信託)やETN(指標連動証券)、インデックスファンドなど、個人でも気軽に投資できる金融商品が多く出てきている。それらに投資することで、大きなリスクを取らなくても、商品で利益を上げることができるようになっている」

「私は、インフレが続くと見ているので、ポートフォリオには必ずある程度、商品を組み込んでおくことをお勧めする。商品投資は、株式の下落相場やひどいインフレに対してだけではなく、深刻な不況に対しても有力なヘッジ手段となりうるものだ。過去最大級のバブルが破裂し、私が懸念する究極のベア(弱気)相場に突入したときにも、きっとあなたを守ってくれるはずだ」

日本では電気代が高くなったといっても今のところは1.2倍程度で済んでいますが、海外では契約によっては1.5倍以上に値上がりをしている国も少なくありません。私は電気代の値上がりをヘッジするために、コモディティインデックスのETFを保有しています。ETFの値上がり益と支出増を相殺する効果があるからです。

また、ウクライナ侵攻やインフレで株式市場がアップダウンしている間も、ポートフォリオに商品を加えることで値下がりを緩和する効果がありました。本来はヘッジのために商品の取引をすることが多いものです。家計や企業活動をインフレから守るうえでも、ポートフォリオの一部にコモディティを加えることは有効だと感じます。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

花輪 陽子 ファイナンシャルプランナー

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はなわ ようこ / Yoko Hanawa

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年から生活の拠点をシンガポールに移し、東京とシンガポールでセミナー講師など幅広い活動を行う。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書) 、『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。花輪陽子オフィシャルサイト 海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトも運営。まぐまぐ「花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編」も。

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