ライフネット生命保険が「赤字でも大丈夫」な理由 赤字にも「質の良い赤字」と「悪い赤字」がある

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これは、ともに赤字の企業だった大塚家具とライフネット生命保険の経常損失のグラフ推移です。このグラフを見て、どのようなことを思うでしょうか。一緒にどちらが質の良い赤字なのか考えていきましょう。 

2つのグラフを比較してみると、ライフネット生命保険の方は赤字自体が拡大していますが、大塚家具の方は赤字が収まりつつあるように見えるので、回復に向かっているのではないかと捉えることできます。 

また、比較以前に気になることとして、「加入者に何かあった際、多額の保険金の支払いが必要になる保険会社がこれほど赤字を出していても大丈夫なのだろうか」と、率直な疑問が湧いてくる方もいるかもしれません。 

ここで気になるのは、そもそも「赤字が拡大している理由」は何が原因なのか、ということです。また、両者の「稼ぎ方」にも目を向けていきたいところでしょう。大塚家具は小売業なので、商品を売った瞬間にお金が入りますが、ライフネット生命保険は毎月加入者からのお金が定期的に入るというように、売上の入り方も異なります。 

色々と考えてきましたが、このグラフだけではなかなか判断がつきませんね。正解は、ライフネット生命保険の方が質の良い赤字であると判断できるのですが、その理由は2社の赤字の「中身」を見ながら説明していきたいと思います。 

出典:『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』

同じ赤字でも意味合いは全く異なる 

「赤字が続くと、行き着く先は倒産」という先入観があり、赤字はネガティブなイメージを持たれがちですが、赤字が倒産に繋がるというのは、実は少し違います。 

赤字だから倒産するのではなく、企業は現金が払えなくなったために倒産するのです。 

次ページビジネスモデルを把握していないと、赤字の質を理解できない
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事