ちなみに、ライフネット生命保険は有価証券報告書や決算説明資料において、自社のビジネス上の留意すべき事項を公開しています。
まず有価証券報告書の【事業等のリスク】では、長期間にわたっての保険料収受が発生する一方で、契約前後の短期間に広告や契約の手数料などが費用として計上され、会計上では損失として表示されることが明記されています。
また、このビジネスモデルについては、決算説明資料でも「顧客1人あたりが、生涯生み出す収益」についての開示をしています。顧客1人あたり年間4.3万円しか売上を生み出さないのに、その顧客の獲得コストに6.7万円かけているのはなぜかというと、平均保険年数が約17年続くから、ということです。
サブスク型のビジネスは、お客さんがその契約期間にどれだけの収益を生み出すのかを考えないと、その会社がかけられるコストがわかりません。大塚家具やニトリとは、そもそもコストのかけ方が違います。
決算数値の内実を理解する
先ほど「会計の限界」という言葉を使いましたが、ここを補うため、ライフネット生命保険の決算説明資料では、決算書からは読み取りきれない内容を補足しています。投資家に対して、自分たちのビジネスにおいて重視している指標などを開示することで、リレーションをはかっていることがわかります。
決算数値に目を通す際には「赤字だから業績が悪い」と思考停止せずに、その内実を理解することが重要です。
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