くら寿司の「100円ずし消滅」値上げに見えた死角 220円⇒165円へ値下げも進みコスト増は吸収可能?
私は経済評論家としてどの飲食店も定期的に訪れるように心がけています。くら寿司もその例外ではなく、1年に2~3回は必ず利用するようにしています。それでここ1~2年ぐらいの期間、くら寿司について気になっていたことがあります。それはひそかに実質的な値上げが進行していたことです。
半数近くが220円メニューだった
具体的には全体の寿司メニューの中で看板メニューである100円ずしの比率が低下しているのです。具体的に数えてみると、この原稿を書いている時点で東京近郊のくら寿司店舗のにぎりメニュー60品のうち半数近い28品が220円メニューになっています。
もちろん220円メニューはおいしいのです。「大切り極み熟成まぐろ2貫」とか「極み熟成ふぐジュレポン酢2貫」「極み熟成中とろ1貫」「あわびにぎり2貫」など、銀座の寿司屋さんと比較すれば「この価格でこのネタは食べられないよなあ」と思うクオリティーのネタが目白押しです。
とはいえ以前のデフレ経済の当時に大半のメニューが100円ずしだったころのくら寿司と比較すれば、今現在のくら寿司はちょっといいネタはすべて220円という形で、ある意味注意して注文をしていかないと予定よりも会計が高くなってしまいがちな状況でもあったのです。
それを実感しているくら寿司の常連さんなら、
「100円ずしの値上げがクローズアップされているけど、220円寿司のメニューがすべて165円に変わるのであればこれはむしろ値下げといっていいんじゃないか?」
と感じるのではないかと、私がこのニュースを耳にして最初に感じたことでした。
実は回転寿司大手ではくら寿司以外のチェーン店も値上げを進めています。業界トップのあきんどスシローは同じ10月にこれまでの110円から120円に値上げすると発表しています。すき家を運営するゼンショーグループのはま寿司は、いまのところ一皿100円(税込み110円)は維持しているものの、目玉だった平日の「一皿90円キャンペーン」は今年6月に終了しています。
それらの競合と比較するとくら寿司の価格改定は、
という設計になっているように読み取れます。
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