女性を次々と暴行した「ゲスの極みCEO」の末路 SNSでは道徳的発言で多くのフォロワーを獲得
友人にはショートメッセージで、証人になってもらう必要があるかもしれないと伝えた。証拠として自身の下着を保存し、警察に被害届を出した。それから母親に電話した。マージスが病院でレイプ被害の検査を受ける間、母親は病院の駐車場で待っていた。
元妻に届いた「告発」の相談
その2日後、プライスの元妻コロンがインスタグラムをチェックしていると、マージスからメッセージが届いた。メッセージには「何か嫌な記憶を呼び起こさせたりしなければいいのだけど、と思いつつも、連絡させていただきました」とつづられていた。
続いて、プライスにレイプされたこと、コロンの「訴えのすべて」を信じているといったことが書かれていた。
コロンは国の反対側に引っ越し、新たな人生を始めようとした。しかし、プライスの存在から完全に逃げ切ることは不可能だった。

マージスのメッセージは、自身の身に起きたことを公表することを考えてきたが、プライスが「復讐しに来る」という恐怖心から踏み切れずにいる、という内容だった。「あいつが一生ほかの女性を絶対に傷つけられないように、自分にできることは何でもしたい」とマージスは書いていた。
最終的に、コロンはマージスをダグ・フォーブスという男性につないだ。長年、プライスのことをブログに書いてきた人物だ。フォーブスは当初、プライスについて希望に満ちあふれたドキュメンタリーを制作しようと考えていたが、その後は、プライスの搾取行為の追及に没頭するようになっていた。
今年1月末、プライスはシェルビー・アレクサンドラ・ヘインというアーティストの女性と顔を合わせた。プライスが初めてヘインにメッセージを送ったのは2019年。インスタグラムでのことだった。
プライスは面会日時を複数提案してきたが、ヘインは断った。その数カ月後、プライスはまた接触を試みてきた。
ヘインはプライスに、社会運動を自らのアートに取り入れるアドバイスや人脈の紹介を期待していたと言う。ヘインと彼女のボーイフレンドは、プライスはデートのつもりで接触してきているのかもしれないが、会ってみる価値はあるという判断に至った。