女性を次々と暴行した「ゲスの極みCEO」の末路 SNSでは道徳的発言で多くのフォロワーを獲得

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マージスがパームスプリングススから逃げ出した昨年4月以降も、プライスはオンラインで数十万人というフォロワーを獲得している。

グスタボ・アレイザ警部補によると、パームスプリングスの警察は8月15日、リバーサイド郡の地区検事長に捜査報告を提出し、薬物を摂取した被害者をレイプした罪でプライスを起訴するよう勧告した。

起訴が報じられるとSNSから姿を消した

マージスは、プライスを公に非難してネットで炎上するのが怖かったと言う。ラス・ベガスの銃乱射事件に関するバズフィードの動画に出演した後、マージスには脅迫のメッセージが何件も届いたことがある。また、マージスは水着のモデルをしていたため、お前から誘ったんだろ、という中傷を受ける怖さも感じていた。

だが2月に、マージスが自分の話を信じてもらえるのではないか、と考えを変えるきっかけとなる出来事が起こった。ヘインの事件によるプライスの起訴だ。

シアトルの検察は、プライスを危険運転、暴行、そして性的動機による暴行と、3件の罪で起訴した。シアトル・タイムズが事件を4月に報じると、それまで1日に何度もオンラインに投稿していたプライスは、ソーシャルメディアから姿をくらますようになった。

5月31日、リモートで出廷したプライスに表情はなく、長髪はやや湿っているように見えた。検察は性的動機による暴行での起訴は取りやめたが、危険運転と暴行についての起訴は維持した。

プライスの弁護士は、プライスにかわって「無罪」を主張。裁判官は10月に予定される裁判まで接近禁止令を出した。

「私は司法手続きを信じている。自分の立場を主張し、無実を証明することを楽しみにしている」と、プライスはニューヨーク・タイムズに対する声明で述べた。

(執筆:Karen Weise記者)

(C)2022 The New York Times 

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