●中嶋先生の疑問:佐藤君の下す評価って、それ・・・・・・
中嶋:それは厳しいね。じゃあ、その評価基準を佐藤君の職場に当てはめたらどうなる?
佐藤:大手クライアント担当の中川君は売り上げが一番多いからA、中堅担当のボクはB、代理店を担当している山口君は売り上げが少なくて楽な担当なのでCってところです。
中嶋:代理店の担当は売り上げが少なくても、信頼関係の構築とかいろいろ苦労があるはずじゃないの? 佐藤君の評価って、君が怒っていた課長の数値評価と一緒だよね。単に売り上げ順、目立つ順じゃない。
佐藤:そ、そうですね……。
管理職はこんな行動をとりがち
評価者となる管理職には、次のような負担があります。
① 部下の仕事ぶりに関する情報を集める負担
② 仕事ぶりについて判断をする負担
③ 部下に評価結果を説明する負担
④ 評価者の上司に評価結果を説明する負担
これらは忙しいプレーイング・マネジャーには大きな負担となります。このため、管理職は、評価の際に次のような行動をとりがちです。
Ⅰ)数値や目立つ成果を判断根拠として情報収集の負担を減らす:インパクトある成果であれば、わざわざ情報収集しなくても少ない情報で判断できるので、評価に迷わないからです。ステレオタイプでものを見るのと同じです。
Ⅱ)数値や目立つ成果で、評価説明に説得力を持たせる:数値や目立つ評価をタテにすると、他人が評価に対し疑問を挟む余地がなくなります。自分の上司や部下に対して評価説明がしやすくなります。目立たない成果から目を背けることは評価説明には都合がいいのです。
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