この秋、日本の食卓を襲う「食料インフレ」の猛威 「からあげクン」36年で初値上げさせた根本原因

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値上げラッシュはこれで終わりではない。食料インフレが日本の食卓を襲うのはむしろこれからだ。

帝国データバンクが8月に発表した「食品主要105社」を対象とする調査によれば、10月は酒類・飲料や加工食品などをはじめ、6305品目で値上げが計画されている。2~4月の値上げ品目数は単月で1100~1400程度、22年で最も値上げが多かった8月の2431品目と比べても10月はその2.5倍以上。春~夏と比べて秋の値上げ品目数の突出ぶりが際立つ。

値上げの第2波が来る

調査を手がけた帝国データバンク情報統括部の飯島大介主任は、「バブル崩壊後の過去30年間をさかのぼっても、これだけの品目が一斉に値上がりするのは初めてではないか。円安と穀物相場、原油高の3大要因が複合的に絡み合い、春を超える値上げの第2波が来るのは間違いない」と分析する。

足元の穀物相場は、8月1日のウクライナ産穀物の輸出再開を受けて騰勢が一服し、侵攻前の水準まで戻しているものの、例年と比べてなお高い水準が続く。原油高による包材・物流コストの上昇や、7月に一時1ドル=140円目前まで進んだ歴史的円安なども重なり、企業のコスト削減努力はもはや限界に近づいている。

「夏の最需要期を終えてから値上げをしたい飲料業界や、年末の需要期より前に値上げしておきたい食品メーカーの価格戦略」(飯島氏)もあり、「値上げの秋」がやってくるのは不可避だ。

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