「卓上レモンサワーとホルモン」ときわ亭の正体 コロナ禍に店舗数をどうやって増やしたのか
このような店がアルコールや時短の制限があるコロナ禍でも店舗数を伸ばしてきたのにはわけがある。
一つには、コロナ禍で営業の厳しい居酒屋が業態転換を図り、同チェーンへと組み込まれてきたためだ。GOSSO代表取締役の藤田建氏によると、加盟店のほとんどは元居酒屋だという。アルコールや時短の要請があった時期には、対応方法は各フランチャイズ店に任せていたそう。中には「制限下でも飲める店」として客を集めた店もあるかもしれない。
しかし居酒屋とホルモン焼肉ではそれほど客入りが違うのだろうか。藤田氏は次のように分析している。
「まず背景として、コロナ前から需要に対して居酒屋が多過ぎたことが挙げられます。コロナで減少した客をさらに奪い合う状況になっている。また居酒屋のメイン層は40代以上で、感染への不安が比較的高い。それに比べ、当チェーンは20代から30代前半をメイン層にしているところが大きく違っています」(藤田氏)
渋谷店では月商が1500万円程度
またあくまでもイメージではあるが、居酒屋というと大っぴらに飲酒を目的としており行きにくい空気があるのに対し、焼肉には食事のためという大義名分があることも、集客できる理由になっているのではという。
業績を聞くと、毎月の売り上げが1〜2位を記録している渋谷店では月商が1500万円程度。ほか、横浜西口店や川崎仲見世店、大阪の阪急東通り店などもそれに準ずるそうだ。
こうした人気の理由はどこにあるのだろうか。第一に、仙台ホルモンという独自性のあるメニューに、さらに「0秒レモンサワー」というエンターテインメントをかけ合わせ、差別化を図っていることが挙げられる。
ホルモンと言えば牛のホルモンが一般的だが、仙台ホルモンは豚ホルモンのガツ、大腸、小腸といったクセのない部位を自家製のたれに漬け込んだところに特徴がある。戦後の仙台市内で流行ったホルモン屋台(とんちゃん屋)の流れを汲むもので、庶民の味の代表なのだそうだ。
看板メニューの「塩ホルモン」は皿から一気に網の上にのせ、2〜3分蒸し焼きにしてから両面を焼く。乾いた食感で、味もたれの旨味がありながらサッパリしているので、ホルモンが苦手な人にもおすすめできる。大盛(977円)を注文するとスタッフの威勢の良いかけ声が入り、楽しめるそうだ。
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