「他社の動向に敏感な人」がうっかりハマる甘い罠 「Believe It」に見る米国人気通販番組の舞台裏

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起業家が一発屋で終わらないための極意とは(写真:ijeab/PIXTA)
「あなたのような見た目の人から化粧品を買う女性がいるとは思えない」と言われてもはい上がり、ついには、化粧品最大手のロレアルに約1500億円という巨額で自社を売却するに至った女性起業家の自伝『Believe It  輝く準備はできてるか』がついに翻訳出版された。原書はNYタイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、 USA TODAYでベストセラー入りを果たし、話題書となっている。
アメリカ最大のテレビショッピング番組QVCで自社の製品を販売するチャンスを掴み、大きな飛躍を見せたイットコスメティックス創業者は、番組の控室で数多くの起業家と出会い、成功する人、失敗する人を見てきた。そんな彼女が気づいた、起業家なら誰もが犯す過ちとは。本書から抜粋・編集してお届けしよう。

QVCの控室で友情を育む

私がQVCの環境を気に入っている理由の1つが、QVCには、実店舗と違って、生放送で商品を紹介している創業者が、ほぼいつでもいることだ。

そしてQVCで放送される長丁場の番組の多くが、さまざまなジャンルの異なるブランド商品を紹介している。そんなわけで、本番前の控室でみんな一緒に過ごしている間に、あなたはいつしか、魅力的で刺激的な創業者たちと顔を合わせるようになっていくのだ。

『Believe It 輝く準備はできてるか』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

真夜中の本番中の控室では、みんなクタクタに疲れきっていることも多かったけれど、くだらないことで一緒に笑い合い、緊張の糸を断ち切って、前線で絆を深めていった。私たちは本物の友情を築くようになっていった。

起業家なら誰もが犯す最大の過ちの1つを、私は幾度となく目にした。ブランド、もしくはブランドの創業者が、彼らの「どうしてと思うこと」や、彼らの真髄とは合致しない何かに飛びついた結果、長い目で見て失敗する様子を毎回目にしたのだ。

自分の周りであまりにもそれが起こるのを見た後で、私はそこに情熱を注ぐようになった。チームの誰かが他のブランドがしていることや、その瞬間に市場で流行っているものを気にかけるたびに、私は口を酸っぱくして言うようになった。

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