ライフハックで効率上げるとますます忙しくなる 「すべてをこなそう」という誘惑に打ち勝つ

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効率的にすべてをこなそうとしなくていい(写真:jessie/PIXTA)
リモートワークやフレックスタイム制などの形態が増えたからといって、大量のタスクに追われる日々は変わらない。生活は便利になっているはずなのに、やることはいっこうに減らない。限りある人生の中で、時間を有意義に使うためにはどうするべきなのか。オリバー・バークマン氏による全米ベストセラー『限りある時間の使い方』より、一部抜粋・編集してお届けする。

誰もが不安と焦燥に駆られている 

僕たちの日常は、どうでもいいタスクをひたすら片づける日々だ。いつか邪魔な仕事をすべて終えたら、そのときこそ大事なことができるはずだ。そう思って頑張るけれど、本当にそこに近づけるのだろうかという不安もある。自分の能力が足りないんじゃないか。時代のスピードに取り残されはしないだろうか。

「私たちの時代を支配するのは、喜びを欠いた切迫感である」と、エッセイストのマリリン・ロビンソンは言う。彼女によると、ほとんどの人は「自分とまったく関係のない不可解な目的の手段となるために、自分や子どもたちをせっせと準備している」。

人に言われたことを必死で頑張れば、誰かの役には立つかもしれない。毎日毎日残業して、その残業代でたくさん買い物をすれば、経済のよりよい歯車にはなれるかもしれない。

だけど、そんなことで心の安らぎは得られない。限られた時間を、大切な人や物のために使うこともできやしない。では、たった4000週間ほどという限られた人生の時間をどう使えばいいのか。

まずはじめに、忙しさについて考えてみたい。

忙しさは、今に始まった問題ではない。世の中みんなが忙しいわけでもない。ただ、自分の限界を打ち破ろうという無謀な努力のことを語るとき、忙しさほどわかりやすい例はない。自分ができるよりも多くのことをやらなければならない、というのが、今ではごく普通のことになっているからだ。

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