自動運転や電動化、バイク新時代への先端技術 4輪以上に難題の多い次世代2輪に向けた開発

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ホンダセンシングのイメージ図
4輪車で採用されているホンダセンシングのイメージ図(写真:本田技研工業)

例えば、高速道路などで一定の車間を自動で保持しながら先行車を追従する「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」、衝突軽減ブレーキの「CMBS」、車両が車線をはみ出しそうになった場合に警告やステアリング操作の支援を行う「RDM」、車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援する「LKAS」などだ。

また、運動理論を応用することで、車体の減速時に起こる制動力やアクセルを開けたときの駆動力の最適な制御、それらと同時にステアリング操作の制御なども行うことで、走行性能を向上させ、車体の挙動を安定させる技術開発なども見据えている。ホンダの担当者によれば、これら機能が搭載されれば、「技術的には自動運転も可能」だという。

4輪車以上に趣味性が強いバイクで、自動運転のニーズがあるか否かという問題はあるが(もちろん法規の問題などもある)、例えば、長距離移動時にライダーの疲労を軽減するなどの効果は期待できるだろう。また、自動運転ができなくても、さまざまな制御により、バイクがより安全で、安心して楽しめる乗り物になる可能性は高い。

日立アステモの2輪電動化技術

日立アスティモの電動パワートレインシステム技術
日立アステモが展示していた2輪用の電動パワートレインシステム技術(筆者撮影)

カーボンニュートラル実現に向けた電動化の潮流は、バイクの分野にも及んでおり、国内外の2輪車メーカーでもさまざまな電動バイク開発を行っている。そんな中、日立アステモでは、バイクの電動パワートレインシステム技術を展示した。

バイクの形を模したアクリル板の展示台に陳列されたのは、2輪電動車用の「モータードライブユニット」「システムマネジメントユニット」「バッテリーマネジメントシステム」の3点だ。

モータードライブユニット
モータードライブユニット(筆者撮影)

まず、走行用モーターを制御する2輪電動車用モータードライブユニット。定格出力は、3.0kW、125ccを超え250cc以下までの軽2輪に相当する車両向けで、サイズは長さ240mmx幅160mmx高さ60mmと非常にコンパクトだ。主な機能は、ライダーのスロットル操作に対し、出力するトルク値を演算しモーターを駆動。また、減速時には、バッテリーへ充電する回生制御も行う。さらに、バッテリーの電圧・電流・温度・残容量や、モーターの電流・回転数・温度を監視し、高効率な電力制御も実現する。さまざまなモーターや角度センサーに対応し、防水性や耐振性を確保する中空構造の採用で軽量化も実現する。

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