日本のメガネ屋「インド企業と経営統合」のなぜ オンデーズがレンズカートと組む狙いとは
多額の債務を抱えて経営難に陥っていた眼鏡チェーンのオンデーズを、2008年に買い取って再建した田中修治社長。オンデーズは同業他社と「ファッション性」「グローバル展開」で差別化を図り、2013年のシンガポール進出を皮切りに、海外進出を加速。海外店舗数はすでに国内を上回っている状況だ。
今回の経営統合は、オンデーズの株式の過半数を保有していたLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン系の投資会社と、三井物産企業投資が全株式をレンズカートに売却することで実現する。
オンデーズはリモートでの視力測定など、DX(デジタルトランスフォーメーション)に力を入れている。だが、コロナ禍で自力でDXを進めることに限界を感じていた。今回経営統合をするレンズカートはエンジニアを400~500人擁するテクノロジー企業でもある。田中社長はこの点に魅力を感じたという。
早くから自社でのデジタル化にも着手
オンデーズがデジタル化に最初に取り組んだのは、赤字経営からの脱却が見えた2010年ごろだ。iPhone4が発売され、スマートフォンを持つ人が増えた時代だ。
「買い物もコンテンツの視聴もスマホで完結するようになり、いずれは自分たちもこのスマホの画面に入っていかなければならないと考えた」(田中社長)
そこで田中社長は、自社でデジタル化に着手。ECサイトやPOSシステム、基幹システムを内製していった。だが10年かけてシステムが一通り形になったところで、新型コロナウイルスの流行が始まった。
「それまで日本の小売業界や外食業界は、デジタルが競争力の差にはなっていなかったが、コロナ禍では明暗を分けるカギになった」(田中社長)
オンデーズはECサイトを持っていたものの、経営は依然として店舗が中心だった。2020年4月の緊急事態宣言で店舗が閉まり、経営資源を見直す中で「自社でデジタル技術を押さえていないから、日本の多くの小売りや外食が競争力を持てない」と痛感したという。
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