日本のメガネ屋「インド企業と経営統合」のなぜ オンデーズがレンズカートと組む狙いとは
田中社長はその問いに対し、「買うとか買われたとか、単純な話ではないし、グローバル化でもっと複雑になっている」と答えた。
ブルームバーグの報道などによると、レンズカートは2019年にソフトバンク・ビジョン・ファンドから2億7500万ドル(約370億円)を調達。その後もアメリカの投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)から9500万ドル(約130億円)、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスやファルコン・エッジ・キャピタルを含む投資家から2億2000万ドル(約300億円)を調達した。
レンズカートに影響力を持つ出資企業も多国籍化しており、オンデーズの本拠地である日本や、同社が30店舗以上を出店するシンガポールの投資家もバックにいる。田中社長は、こうしたレンズカートを支える投資家も含めて、アライアンスの一環であると考えている。
小売業界はゲームチェンジが起きている
オンデーズがレンズカートと組む理由は、DX以外にもある。それは、小売業界のゲームチェンジだ。
「15~20年前ならチェーン店で100店舗出したら、大企業だった。海外の企業が日本にどんどん入ってくることもなかったし、100~200店舗出せれば国内では競争力があって優先的な地位が手に入った」(田中社長)
オンデーズは2011年に福岡の商業施設に出店し、100店体制を達成した。その後も規模拡大を進め、国内約200店舗、グローバルでは13カ国・地域に460店舗を展開するまでに成長した。
しかし同社が一足先にグローバル化を進めた一方で、業界にもグローバル化の波が押し寄せた。それは競争がさらに激化し、新たなステージに入ったことも意味した。田中社長の危機感は強い。
「アパレルだと20年前はセシルマクビーやエゴイストが、国内大手だった。だがZARA、H&Mが上陸して、競争力を失っていった。海外企業が簡単に入ってくるようになり、数百店舗、数百億円の売り上げでは戦えなくなったのだ。眼鏡でも海外で数千店舗規模のチェーンが現れて日本に上陸すると、アパレルと同じ道をたどるかもしれない」
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