DeNA創業者が語る、球団オーナーの役回り ベイスターズの南場智子オーナーを直撃
――では、黒字化目標の時期は。
2年~3年後じゃないでしょうか。黒字化は絶対目標です。優勝したら黒字になると言われるが、コンスタントに優勝争いに絡むまで力を強化すれば黒字は可能なのか、今それを(球場側と)詳しく相談しないといけない。そういう状態は絶対に目指していきたい。
マイナーなスポーツなら別だが、これだけメジャーなスポーツでタニマチ的な経営に頼らざるをえないというのは、スポーツ全体の希望がなくなると思う。スポーツだけで自律的に黒字にならなければ成り立たない。
これから私と池田で、電気が消えたら取っ組み合いになるような本当の語り合いが始まります。今の強さと枠組みだと、経営努力では黒字化しないかもしれない。(球場側にも)枠組みについてご協力いただかないといけないし、強くなること、その両方ですね。
――横浜は都会なので、地方と比べて地域特性を出しにくいのでは。
そんなことはない。これまでうまく活用できていなかった。本来、横浜の人たちは地元への思い入れが強いし、外から見るとクールでハツラツとしてかっこいい。
中畑清監督が率いるチームは人柄もあって、イメージアップに協力的。球団と直接的に関係ない記者会見にも駆けつけてくれる。中畑さんはひょうきんなイメージがあるが、スポーツにはまじめで勉強になります。
今の雰囲気を大切にしたい
――来場者数の増加に向けたプランはありますか?
やっぱりある程度、チームは強くないとダメ。昨年のシーズン初めは、寒い時に球場に来てもらっても負けることが多かった。それから尻上がりに勝ちを重ねて、中盤からよくなって最後はちょっと下がったが、来場者数は買収前から4割増えた。出だしは大切だが、私が手出しできることではない。寒い時にどう盛り上げるか、それを考えたい。
買収した初年度から、さまざまな施策を進めてきた。スタジアムのトイレをきれいにしたり、テーブルがあってグループで観戦できる特別なシートを作ったり。他の球場も参考にしている。ファンの方からは「DeNAが球団を買収した時、最初はエッと思ったが今では感謝している」という言葉をいただく。それが一番嬉しい。
3年間の経営努力はすばらしかったと思っている。順位はもう少し上げたかったが、3位が見えるところまできた。確実にチームは強くなり、いい流れできている。大ナタをふるって改革しようという状況にはない。GM、監督、経営の関係もよく、この雰囲気を大切にしたい。
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