DeNA創業者が語る、球団オーナーの役回り ベイスターズの南場智子オーナーを直撃

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南場氏は事業会社と球団のさらなる交流の必要性を強調した(撮影:尾形文繁)

――シナジーとは?

DeNAでは、さまざまなサービスを展開している。エンターテイメントやゲーム、イーコマース、ネットスーパーもあればヘルスケアもある。球団側はもっと活用してほしいと思っているが、現場や事業側にその視点が広がっていない。”神聖”なもので野球に専念してほしいから、遠慮してビジネスと切り離して考えている。

それは池田の思いとギャップがあって、球団はこんなにウエルカムなんだと。もちろん強いチームにしていきたいし、強さがファンを喜ばせる。その知見は私にないので、ゼネラル・マネージャーや監督にお任せするしかない。

――社長とオーナーの役割分担をどう考えていますか。

池田と私の間でかなり話し合うと思うが、渉外的な部分はオーナーがやっていくべき仕事の1つ。実際は現場に任せていくことになる。私がベイスターズに張り付くわけでもないし、従来の路線から変更はない。

――3年前の買収以来、球団経営は赤字が続いている。

黒字化はさすがに簡単ではないし、いつまでに黒字化と言えるような簡単な方程式ではない。さらなる改善は可能だと考えている。

「黒字にできないはずがない」

――買収当時、チケット収入の25%を手数料として球場に払うほか、看板広告やグッズ販売も球場側の収入となっていた

この3年でだいぶん変わりました。チケット手数料は25%から13%になった。従来は球場から選手強化費をもらっていた部分もあり、それをなくして健全な形にしようと13%に見直した。

チケット手数料や球場使用料は、観客動員数が増えると総額は増える。グッズに関しては球場の周りにショップを作り、今期中にもう1店舗オープンを予定している。この分も利益配分させてもらうようにしている(注:回答は同席した池田純社長)

――業績改善に向けた手立ては?

4月~5月の来場者が増えると、球団と球場合わせて黒字になるくらい。少し”発明”が必要になるが、黒字にできないはずがない。一番いけないのは、大衆的な事業を持った時に経営者が球団の企画部隊を差し置いて、ああだこうだ口出しすること。

私は池田には言うが、企画部隊に直接言うと対応に手間を取らせてしまう。細かな部分は私のバリューを出すところではない。まずはスタジアムと力を合わせて地元に愛される球団にするためにどうするか。そこですよね。

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