新生VAIO、スマホはパソコンとは"別物"に 超高スペックのパソコンとは別路線追求

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VAIOといえば、音楽や映像などのエンタテインメント要素を盛り込み、一世を風靡したプレミアムブランド。今回の新型パソコンはそういう意味で、 ソニーから引き継いだ現行シリーズより、一層"VAIOらしい"製品をゼロから作り上げたと言える。「ようやく自社開発の1号機ができた。これをテコに、新たなVAIOの形を作っていきたい」。関取高行社長も会見で、VAIO復活への意気込みを語った。

ただし、このVAIOらしいパソコンと、花里氏が話す機能を絞り込んだスマホとは、一線を画した製品となりそうだ。その場合、VAIOらしさはどういう方向に向かうのか。花里氏は「バイオだから高付加価値、高パフォーマンスという特徴に振っていくつもりはない」と明言する。

 「自由だ。変えよう」の意味合い

「ソニー時代なら高付加価値というブランドイメージに束縛されたが、今はもっと自由。VAIOはもっといろんなことを提案していく。受け取る人によって、VAIOのイメージは違っていい。むしろそういうことにチャレンジしている。それが、われわれが提唱している、"自由だ"というコンセプトです」。

昨年7月の会社設立の際、VAIOは「自由だ。変えよう」というコンセントを掲げた。従来のイメージに捉われない、新たなVAIOブラン ドの提案――。それは製品カテゴリーや顧客層によっても異なる、より柔軟で新しいブランドイメージの普及に向けた挑戦でもあった。

しかし、社名に「VAIO」を冠し、製品名にも同じブランド名をつけながら、製品の特徴をカテゴリーごとに分けては、逆にブランドイメージの「ぶれ」につながり、ブランド自体の浸透を妨げる可能性もある。今後、各製品がどれだけユーザーに支持されるか。VAIOのブランドはやはり製品自体の魅力に 拠っていくことになる。

新型パソコン発表でようやく1歩目を踏み出したVAIO。"2歩目"となるスマホ新製品と合わせ、ユーザーの支持を得られるか。発表は間もなくだ。

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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