8月に増加の「食中毒」やられる人の4つの間違い カレーの加熱、生ハンバーグ、消毒の落とし穴

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実は、黄色ブドウ球菌は皮膚にいる常在菌でもある。健康な指や鼻にもいるし、特に化膿した傷口、ニキビやおできには必ずいるといっていい。

だから、調理後の食品や食器の内側を手で触れてしまうと、食中毒リスクが高まる(今どきはいないと思うが、残念ながら素手で握ったオニギリは最悪だ……)。鼻やニキビのある顔を触った手、絆創膏の長時間貼ってある指などもよろしくない。

細菌は常温で急激に増えるため、安定的な低温管理も必須だ。

カレーは一晩常温で寝かせても大丈夫?

「翌日のカレーが一番おいしい」という説は否定しないが、一晩常温で寝かせたカレーはアウトだ。これも「加熱への過信」とも言えるだろう。

学校などの行事で、作り置きのカレーやシチューから集団食中毒が起きた、というニュースは、コロナ前はよく聞かれた。十中八九、ウェルシュ菌という細菌によるものだ。別名「給食病」とも呼ばれる。

東京都福祉保健局の実験では、家庭の調理方法で鍋ごと常温保管した場合、ウェルシュ菌が増殖することが確認された。鍋ごと冷蔵庫で保管したカレーでも、再加熱後に菌が検出され、再加熱のときにどうしても温度ムラが起こりやすいことが示唆された。

ウェルシュ菌は主に土壌にいるため、ニンジンやジャガイモなど、カレーでおなじみの根菜類に付いていることが多い。

やっかいなのは、「芽胞」と呼ばれるカプセル(耐久細胞)を作ることだ。芽胞はかなりの高熱にも耐える。ぐつぐつ煮込んでも生き残るものがいて、再び50℃以下に温度が下がるのを待って発芽する。やはり常温で激増し、毒素を出す。

ウェルシュ菌は酸素を嫌うのだが、大鍋で煮込む料理は中心部が低酸素になりやすい。カレーやシチューのほか、麺類の残り汁、煮魚や煮物で食中毒を引き起こす。

基本的には作ったらすぐに食べきるのが一番安全だ。どうしても「翌日のカレー」が食べたいなら、常温の時間をいかに短くするかがポイントだ。

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