今起きている「Web3」で変わる世界の新しい仕組み ブロックチェーンによって情報の流れが変わる

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そこで登場したのがWeb3である。

Web3では実装されたプログラムのことを、ここまで書いてきたように「プロトコル」と呼ぶのが一般的である。それは、誰がやっても同じルールで処理され、特定のアウトプットが得られるためである。

特定の介入を必要としない

例えるなら、「自然の摂理」といったところだろう。重力が誰かの介入によって働いているものではなく自然の摂理として働いているように、Web3におけるプロトコルも同じように、誰かの介入を必要とせずに駆動するのが普通である。

そしてそのシステムを持続可能な方法で動かし続けるために、トークンと呼ばれるアセットをシステム内に組み込んでいることが多い。

トークンにはさまざまタイプのものが考案されており、クリエイティビティの見せ所となっている。このトークンはプロトコルの一部であり、「トークンを保有すること」はプロトコルをユーザーが部分的に保有しているということでもある。

言い換えれば「みんなのもの」として扱われているのである。

このことを、「所有」という観点で考えてみよう。

ビジネスの論理では所有と経営は分離されており、この論理の下で提供されているWebサービスなどは、そのユーザーは提供だけされており、サービスそのものを所有しているわけではない。実質所有しているのは株式会社なら株主である。

一方で、Web3では所有と経営を一致させるベクトルが働いている。ユーザーが所有者であり、このような仕組みは組合のような組織が近いと言えるかもしれない。

「競争」という仕組みに最適化された資本主義や株式というルールから、「共創」という仕組みに合わせたルールがWeb3から生まれようとしている。

このように、共通資産であるインターネット上でうまく機能する論理が実装される可能性が開けている。つまり、インターネットとプロトコルはともに足並みを揃えて発展していくことができるのだ。

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